・石のひみつ

  登場人物紹介

人々

  博士 ・ 蟹太くん ・ 通子ちゃん ・ 邪胃田豪子

 博士:何でも知っている偉い人。
 蟹太くん:好奇心旺盛な少年。わりと頭が悪い。
 通子ちゃん:蟹太くんの友だち。わりと性格が悪い。
 邪胃田豪子:蟹太君の幼なじみで義理の妹で学園のアイドル的存在。
       転校生で保険の先生で学園のアイドル的存在でもある。



蟹太君、のたうちまわる


蟹太「ぐっ、ぐおお。うぐぐ。腹と背中の中間が痛い……。そうだ、
   バファリンを飲もう。あれは優しいから俺を救ってくれる」

(ゴクゴク、ブッハァー)

蟹太「うむ……。なんだか楽になった気がするから人間とは不思議
   なものだ。ダークシードという洋ゲーも脳に異次元生物の
   卵を産み付けられた主人公の朝の日課はアスピリンを飲むこ
   とだった。バファリンはアスピリンで出来ているかもしれな
   いし、出来ていないかもしれないから心が安まる。とはいえ、
   なんだか激烈に右脇下の何かが痛いので博士の所に行こう。
   きゃつめは何でも博士だから医術ぐらい出来るだろう」


博士の診断


博士「おや、蟹太君、髪が伸びたのう」
蟹太「上の絵はどうでもいいから、早く診察してください!」
博士「どれどれ。ふむ。痛いのはこのあたりかな?」
蟹太「あ、もうちょっと下……」
博士「こ、ここかな? ハアハア」
蟹太「そ、そこです。うっ」
通子「……………」
博士「ふむ。これはおそらく胆嚢結石じゃろう」
蟹太「た、タンノーケッセキ……ですか」
博士「よし、超音波検査の準備をしよう。大至急で」
通子「あ、超音波検査機は今、業者の方が調整に来ているので使え
   ないですよ」
博士「そうか、じゃあ血液検査とレントゲンじゃ。至急でな」
蟹太「お、俺は一体どうなってしまったんだ? ドキドキ」


検査終わりました


博士「ううむ。胆嚢結石かと思ったのじゃが、尿中の血液濃度が、
   3+もあるのじゃ」
蟹太「はあ。サンプラスですか」
博士「まあ、はっきり言って異常な濃度じゃな。顕微鏡で見たら
   赤血球がウヨウヨ見えたわい」
蟹太「膀胱炎か尿管関係か……その辺りの関係かもしれんな。よし、
   超音波検査と造影剤検査をやろう。うひひ
蟹太「なんだか検査づくめですねえ」


また検査だ


蟹太「やあ、超音波検査は腹にゼリーを塗られたうえに妙な機械で
   なで回されて猛烈にこそばゆかったが、病院用のガウンに着
   替えさせられて点滴をつなげられて横たわるこの造影剤検査
   とやらもアレな感じだ」
博士「……改造……埋め込みで……装甲が…………ヒソヒソ」
通子「ヒソヒソ……やっぱりドリル……バッタも……変身機能……」
蟹太「おい、一体何をヒソヒソ言っているんだ!」
博士「うむ、蟹太君、この検査は全然安全な検査だからいったい心
   配はいらんよ。わしはよくも保証する」
蟹太「何で言語が乱れてるんだよ!」


そんなこんなで


博士「うむ、いろいろ誤解もあったが、まあ結局は右の腎臓ででき
   た石が、膀胱へつながる尿管に詰まってしまったのじゃな。
   これを見なさい。さきほどの造影剤が、尿管の流れを写真に
   写しているじゃろう。ここに石が詰まっているのがよくわか
   るな。実際、大学の講義で使いたいぐらいの写真じゃ」
蟹太「はあ。どうぞ使ってください。蟹通のネタにも使います」
博士「何を言っているんじゃ君は。まあいい、治療法としては、薬
   を使って尿管を広げ、押し流す方法じゃ。大きさは五ミリぐ
   らいなので充分流れる。膀胱までゆけば、もう問題はないの
   じゃ。薬で溶ければいいのだが、レントゲンに移る石なので
   周知の通り溶けないのじゃ」
蟹太「そんなの知らねえよ!」
博士「どうしても流れない場合は、体外衝撃波と言うのを使うが、
   聞いたことはあるかな?」
蟹太「ないけど、だいたい想像はつきます」
博士「うむ。御察しの通り、わしが君を押さえている間に通子君が
   君の腹に重いボディーブローを入れて石を砕くのじゃ」
蟹太「マジかよ!
博士「それはさておき、万一それでも駄目な場合は、手術じゃな」
蟹太「手術……ですか」
博士「うむ、やはり腹をこうガーッとさばいて摘出するのが面白い
   のじゃが……」
蟹太「患者の前でそんな図示をすんなよ! やめろよ!」
博士「残念ながらもうそんな時代ではないので、カメラを使う」
蟹太「カメラ? 念写で心霊療法でもやるんですか?」
博士「70年代のカウンターカルチャー信者か君は。マイクロカメ
   ラを性器の先から直接尿管に入れて石を砕くのじゃ。まあ、
   口で言うのは簡単だがなかなか細かい作業でな」
蟹太「マジかよ! 口で言うだけでもすげえ怖いぞオイ!」
博士「ふむ、これは最後の手段じゃからな。忍者部隊で言う拳銃と
   同じじゃよ。まずは石を流すことを考え、一日排尿1.5リ
   ットルを目指してどんどん尿を出すのじゃ」
蟹太「はい、つまり尿をジャバジャバ出すのですね!」
博士「そうじゃ。尿じゃ」
蟹太「いやなオチですね」
博士「言うな」



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