人間には、人に見せてはいけない
汚い部分があります。

誰かを陥れようとしていたり、
奥さんに内緒で浮気していたり、
親の金をこっそりと使い込んでみたり。

まあ、そんなのは一部の人ですが、
誰しもが経験してしまう汚いこともありますよね。

いくら、文明が発達して、街が綺麗になって
見かけ上は汚いことがなくなって見えたとしても、
人間は、やっぱり動物ですから。

そう。
尿、大便、嘔吐物の類です。

そして、それらを処理すると言えばトイレですね。

品川駅にチップ式のトイレがあります。
外からみると、とても綺麗で

「ああ、みんなが払ったチップで綺麗にしているんだなあ
　チップ大歓迎だなー
　ボクは払いたくないから入らないけどー」

などとのたまっていたのもつかの間、
私も人間ですから
突然の便意というものがございます。

仕方なく、そのチップ式トイレに入って愕然。

なんですか。
このいろいろまざっちゃったみたいな臭いは。

臭いというか、空気そのものがまったりと
ぬるい感じで、絶対に長いしたくない雰囲気です。

そもそも、このトイレには、窓というものがなく、
ちっちゃな換気口があいているだけ…

これでは、臭いがこもるのも当たり前です。


愕然としたのは、それだけではありません。

床一面、尿まみれなんです。

現代人としての誇りとか、知性とか、
そういうものは一体
どこへいってしまったのでしょうか。

一応、チップ式トイレと名をうっているだけあって
個々の便器のつくりはしっかりしているのですが、
整然と並んだ便器と便器の間まで流れ出る勢いで
大量の尿がぶちまけられています。

それもそのはず。
このトイレには、いつどの時間でも、
ひっきりなしに人がおとずれ、チャックをおろして
尿を垂れ流しているのです。

それは、まるでオートメーション化された工場のよう。

それだけなら、人が機械のように時間どおりに動く
三流ＳＦ映画の近未来予想図のようでかっこいいのですが、
（そういえば、シェンムーの街の人も…）
なにせ人は動物。

都合よく機械のようにはいきません。

便器の前に立ったかと思えば、
よだれを便器の外にたらしてしまい、
しまったと思うまもなく
尿道から三本に分かれた尿がとびちらします。

個室はといえば、
妙に広い感じ（普通のトイレの倍くらいある）で、
ちょっとは落ち着けるか期待してみれば、
こちらも絶え間なく人が大便をしていくため、
ただでさえこもっている臭いがさらに充満。

とても、ゆっくりできる雰囲気ではありません

そう、ここはまさしくトイレ。
体にたまった不要物を、ただ出すためだけの空間なのです。

そのため、用を足した後、
７０％ぐらい人が向かう洗面台（もちろん私は１００％使用します）は、
異様に低い位置に設置され、
鏡もほとんどありませんでした。

さすがにそれはまずいと思ったのが、
少し前に洗面台が改修され、全ての流しに鏡がつきました。

腰くらいの高さに。

これでは、鏡を使うときに
尻を大きく突き出し、自分の腰あたりの高さまで
顔を持っていかないといけません。

鏡をつければいいってもんじゃないとおもいます。

で、時々おじさんが、スーツ姿でそれをやっています。

ほんとみたくない光景です。

鏡なんて他にもあるだろうに、
どうして、おじさんは
このトイレの鏡を使ってしまうのでしょう。

与えられたものを何が何でも使う…
そんなに、このチップ式トイレというシステムに
順応したいのでしょうか。

でも、ふと思いました。
さきほど、現代人の知性はどこへ行ったなどと書きましたが、
これこそが本当の現代人の生活、
いや現代人そのものなのだと。

システムか大好きなくせに、
そのシステムに溶け込めなくて失敗をする。
無理に溶け込もうとして、余計溶け込んでいない。

悲しいけど、
やっぱり人間は動物です。

…そういえば、最近になって
トイレ内に、小鳥のさえずりが流れる機械が設置されました。

もわーんと便の臭いが立ち込めるこのトイレで
ICチップから流れる小鳥の鳴き声なんて
聞きたくありません。

妙に熱帯雨林のジャングルっぽくて、さらに嫌です。

誰か助けてください。

こんなにまで変な行動ばかりする現代人
（ＪＲのトイレ担当者含む）の事をっ