世の中にはいろいろな人がいます。

電車内で走り回るNのカバンを背負ったバカ小学生とか
飲んだ紙コップをためらいもなく座席の下において去る社会不適合サラリーマンとか。

最近よく駅でみかけるおじさんは
妙にはっきりした大工の棟梁みたいな口調で
絶えず、世間話をしています。
「ああそうだな、あそこの看護婦は質が悪いよ」
「いやでも、あいつんちの奥さんは…」

おじさんはいつも一人です。

おじさんの前に、誰かがいたのは見たことがありません。
一体誰と会話しているのでしょうか。


この間は、商店街を歩いていたら
突然知らない人に

「はい、ストップっっっ」

と、両手を広げて目の前にたたれました。

あまりの突然さに心臓が飛び出るかと思いましたが、
幸い、相手は年の端もいかない女の子でしたので
そのまま

なんだ、おまえは

といった感じのつめたいまなざしで
イタイケナショウジョのヒトミを凝視しながら
脇をとおりとおりすぎることが出来ました。

しかし、あれがもし、チンピラにーちゃんだったらと
思うとゾっとします。


チンピラ怖いです。


でも趣味が人間観察の私としては、これらの人の行動は見逃せません。

一体どういう環境で、
どういう教育を受け、
どう過ごしていれば
こういう人格が形成されるのか。

興味深々です。


ところで、電車内の迷惑人間といえば痴漢ですよね。

実は、私も…

痴漢されたことがあります
(私は男です。)。

人のケツの後ろで、生あったかい手がもぞもぞと動きやがります。

大変気持ち悪いです。

そんな体験と人間観察の趣味のせいで
いつのまにか毎日の通勤電車では、
挙動不審な男をマークするようになってしまいました。

そんな私がまわりから見ると一番怪しいだろ

という突っ込みは置いておいて、
そんな疑いの目で電車内をみていると

結構います。怪しい人。

女の人にミョーにくっついて、寝たふりとか、
後ろに女の人がいるときに、わざわざ腕を後ろで組んでたり…。

そんな人を凝視していると、私の視線を感じるのか
大概の人は、女の人から離れます。

まあ、当然の反応でしょう。
冤罪でつかまりでもしたら洒落になりませんし

もし本当に痴漢しようとか思ってたとしても、
普通の神経を持っていれば、ここでやめると思います。

ところが世の中には、そんな一線を越えてしまう人がいるようです。


こんなのとか


あの時間の横須賀線は、そんなに混んでないのですが
一体、どういう状態でどんな顔をして、
人のズボンのファスナーを引き下げされるのでしょうか

しかも、この人、同じ女性に何度もやっている模様。

ぶちきれた女の人の反撃も怖いです。

スタンガンなんて、
生半可な気持ちじゃ出せません。

携帯で犯行写真…てのは、ちよっと甘い気がしますが。
写り悪いですし。


……


実は私、この時ここにいました。

帰宅する途中で、人が集まってるので何事かとみてみたら
ちょうど警察がきたところで、つかまっている男が
「やってないっ」
と、ちょっと危ない感じの声で怒鳴っているところでした。

痴漢撃退の現場なんて腐るほど見ているので
なんとも思いませんが、
まさか裏でスタンガン突きつけるなんて
ハードなことが行われていたとは、思いもよらず。

どうせならもっと観察しておくべきだったかなと後悔です。

というわけで、
この二人のこれまでの人生と
これからの顛末に思いを寄せつつ
今日はこれまで…