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・流行性感冒のひみつ


登場人物紹介
人々 博士 ・ 蟹太くん ・ 通子ちゃん ・ ムサビー

博士   :何でも知ってる偉い人。
蟹太くん :好奇心旺盛な少年。わりと頭が悪い。
通子ちゃん:蟹太くんの友だち。わりと性格が悪い。
ムサビー :妖怪。




蟹太くん、発熱する

蟹太「うーんムニャムニャ。採石場のような土砂のたまった
   ひとけのない山中に古い木造の旅館がぽつりと建って
   いるがその内部は複雑に入り組んだ迷路状に階段と廊
   下が錯綜していて、同様に錯綜した住人の人物関係が
   感情的なクライマックスを迎える頃とある部屋の屋根
   が空から落下してきた何かによって崩れ、空は昼間な
   のに異常に青黒く大きな目玉状の存在がはるか上空か
   ら地上にゆっくりと落下してくるのが観測できる。」

博士「おや、蟹太くんが風邪をひいて熱にうなされ、なにか
   尋常ならざる悪夢を見ているようだ。」

通子「風邪はいやですねえ。」

博士「うむ。
   鼻がつまると煙草を吸っても臭いがしないしのう。」

蟹太「ああ。空の大きな目から放出された何か人に害を与え
   るものの集団が無数に地上に降り注ぎ俺は避けられ得
   ぬ破滅の近いことを知っているので絶望と焦燥に震え
   おののき周囲を見回すとさきほどまで敵対していたは
   ずの古い木造旅館の住人たちも一様に屋根に開いた穴
   から空を見上げて静止している。」

通子「関節も痛くなるんですよね。
   あれ、なんで痛くなるんですか?」

博士「さあ。なんかリンパ腺がどうとか。
   忘れちゃったけど。」

通子「しっかりしてくださいよ。
   自称なんでも博士なんでしょ。眼鏡が泣くよ。」

蟹太「そうこうするうちに空の大きな目から放出された何か
   人に害を与えるものの集団が古い木造旅館にとりつき
   はじめ古い木造旅館の年月を経て黒く光沢のある木材
   が折れたり倒れたりして立体的に入り組む巨大な迷宮
   状の建築物が端から侵食されているのがとある屋根の
   破れた部屋にいながらにして鳥瞰的視点と細部拡大の
   同時認識で確認できるがこの超感覚的知覚は当然そな
   わるべきものであるなぜなら俺は俺個人であるという
   状態と同時に物語を全体として眺める超越者でもある
   からなのだ。」

博士「いやあ、すごい寝言だねえ。」

通子「あ、これ寝言だったんだ。」   



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