登場人物紹介とうじょうじんぶつしょうかい

博士はかせ　・　蟹太かにたくん　・　通子つうこちゃん　・　バルタ

博士はかせ　　　：何なんでも知しってる偉えらい人ひと。今回こんかいは悪人あくにん。
蟹太かにたくん　：好奇心こうきしん旺盛おうせいな少年しょうねん。今回こんかいは変身へんしんする。
通子つうこちゃん：蟹太かにたくんの友ともだち。今回こんかいは怪人かいじん。
バルタ　　：蟹太かにたくんのサポートメカ。変身へんしんに必須ひっす。



恐怖きょうふ！怪人かいじんネペンテス女おんなの巻まき

数分前すうふんまえまで平和へいわだった街まちに、悪あくの博士はかせが作つくり出だした怪人かいじんが突如とつじょと
して現あらわれた。破壊活動はかいかつどうを続つづける怪人かいじんネペンテス女おんな。崩くずれ落おちるビ
ルの下したに、逃にげまどう人々ひとびとの悲鳴ひめいが木霊こだまする。

博士はかせ「うわっはっは。行ゆくのだ、怪人かいじんネペンテス女おんな。世界せかいを恐怖きょうふ
　　　と混乱こんらんの坩堝るつぼにたたき込こむのだ。」

通子つうこ「ネーペー！。」

怪人かいじんネペンテス女おんなの吐はき出だした特殊とくしゅ溶解液ようかいえきが建物たてものを溶とかし、街路がいろ
樹じゅを枯かれさせる。道々みちみちを行ゆく車くるまが溶解液ようかいえきに触ふれると、理由りゆうはわか
らないが急きゅうに爆発ばくはつしてさらに人々ひとびとを困こまらせた。

人々ひとびと「うわー。」

人々ひとびと「キャー！。」

蜘蛛くもの子こを散ちらしたように逃にげ出だす人々ひとびと。その中なかから、子供こどもを抱かか
えた一人ひとの母親ははおやが、怪人かいじんネペンテス女おんなの前まえに足あしを蹴けつまずかせて
倒たおれ込こんだのを、カメラは確たしかに捉とらえた。

母親ははおや「キャー！。助たすけて。」

博士はかせ「怪人かいじんネペンテス女おんな、そいつもお前まえの溶解液ようかいえきで溶とかしてしま
　　　うがいい。」

通子つうこ「ネーペー！。」

あっ危あぶない！だが怪人かいじんネペンテス女おんながその恐おそるべき液えきを可哀想かわいそうな
通行人つうこうにんに浴あびせかけようとしたその時とき、どこからか飛来ひらいした一丁いっちょう
のハサミが怪人かいじんネペンテス女おんなの腕うでに突つき立たった。

声こえ　「花はなが全すべて香かぐわしいとはかぎらない。」

通子つうこ「ネーペー？！。」

博士はかせ「なっ何者なにものだ。」

ハサミの飛とんできた方向ほうこうに博士はかせが目めをやると、そこには街灯がいとうの上うえ
に謎なぞの人影ひとかげが腕うでを組くんで立たっていた。

蟹太かにた「一雨ひとあめごとに春はるの近ちかづく今日きょうこの頃ごろ、うららかな外気がいきに誘さそわ
　　　れて外出がいしゅつしてみれば、貴様きさまらはいかがお過すごしですか。梅うめ
　　　の花はな咲さく三月さんがつのこの日ひに、世よの平和へいわを乱みださんとする無粋ぶすいは、
　　　この私わたしが許ゆるさない。」

博士はかせ「機動外骨格きどうがいこっかくカニバール！。貴様きさま生いきていたのか。」

蟹太かにた「フッ。どうやら私わたしのところに来きた死神しにがみは女性じょせいだったらしい。
　　　私わたしは女性じょせいにもてない質たちでね。」

博士はかせ「おのれカニバール。怪人かいじんネペンテス女おんな、奴やつを倒たおすのだ。」

通子つうこ「ネーペー！。」

怪人かいじんネペンテス女おんなの吐はき出だした特殊とくしゅ溶解液ようかいえきがカニバールを襲おそう。
すんでのところで避かわしたカニバールだったが、避よけきれずに腕うで
にかかった部分ぶぶんが白しろい煙けむりを上あげて融とけ始はじめる。

蟹太かにた「くっ。」

博士はかせ「わっはっは。どうだ怪人かいじんネペンテス女おんなの特殊とくしゅな溶解液ようかいえきの味あじ
　　　は。食虫植物しょくちゅうしょくぶつのデータを組くみ込こんである彼女かのじょの液えきはあらゆ
　　　る物質ぶっしつを溶とかしてしまうのだ。」

蟹太かにた「なるほど。これは厄介やっかいだ。」

そのとき、怪人かいじんネペンテス女おんなが車道しゃどうの縁石えんせきに足あしを引ひっかけて転ころん
でしまった。彼女かのじょの体内たいないの特殊とくしゅ溶解液ようかいえきが思おもわずこぼれてしまい、
自分じぶんの身体からだを溶とかす。

通子つうこ「ネーペー！。」

蟹太かにた「置おく場所ばしょのない花はなは哀あわれだ。」

機動外骨格きどうがいこっかくカニバールの右手みぎてには、瞬間物質転送装置しゅんかんぶっしつてんそうそうちが取とり付つけ
られている。今いま、カニバールは、海中かいちゅうの秘密基地ひみつきちから巨大きょだいなハサ
ミ型がた必殺兵器ひっさつへいき「カニバールシザーズ」を転送てんそうした。

博士はかせ「し、しまった。」

蟹太かにた「カーニーバルバルバルバルバルバルバルバルバルバル！」

通子つうこ「ネーペー！」

カニバールシザーズに斬きられた怪人かいじんネペンテス女おんなは爆発ばくはつした。

蟹太かにた「嵐あらしの前まえに咲さく花はな一輪いちりん、咲さかねば散ちらずにすんだものを。」

博士はかせ「おのれ。こうなったら巨大化光線きょだいかこうせん発射はっしゃだ。」

そう言いうと博士はかせは謎なぞの光線こうせんを怪人かいじんネペンテス女おんなの残骸ざんがいに浴あびせる。

蟹太かにた「えっ。ちょ…巨大きょだいロボットなんて俺おれ持もってな……」

巨大化きょだいかした。

通子つうこ「ネーペー！。（巨大きょだいな声こえで。）」

蟹太かにた「ぐビちッ。」

これで終おわります。