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西暦2005年7月2日 午後8時半ごろ…
私は、たまたまTrans'2直販分の資材集めを手伝いに来ていた信と夕飯を取っておりました。
テレビには金曜日に取ったジゴロウ最終回のsakusakuをながしていました。
元よりだらけた番組ですから、こちらもだらけながらぼぅっとテレビの方をみていました。
そうして5分ほどたった頃でしょうか。
私の視界に、ふと違和感が生まれました。
私はその違和感の元を探そうと、首を左右に上下に振って辺りを見わたします。
すると、すぐにその違和感の元を見つけることが出来ました。
テレビの上、天井付近の壁柱にある黒いシミ。
大きさは…そう6〜7cmと言ったところでしょうか。
木目とも、雨水ともつかないそのシミは、私の目に圧倒的な存在感をもって映っています。
その宙を凝視する私の行動が、よほどおかしかったのでしょう。
隣にいた信が、私の目線を追って、壁を見上げます
そして「えっ」と短く声を上げました
よくは見えません。
眼鏡で矯正した視力は1.2程ある筈です。
ですか、その場所までは距離が離れているため、それがなんだか見きわめることが出来ません。
けれど、とてつもなく嫌な予感がします
私たちの予感が的中したならば、あのシミは動きます
壁づたいに、下手をすると私たちの歩みより早く動くでしょう
そしてあのシミは…いえ、奴は、私たちをあざけ笑うように空を飛ぶはずです
そう私たちの思考が無意識のうちに合致した瞬間…
なんということでしょう!
奴が行動を始めました
私たちは急いで食べかけの食事を別室へと移動します。
そして、それぞれの武器をもち、再度集合します。
スプレーと電磁ハエたたき
武装は完璧とは言えませんが、奴と戦う手だてはこれしかありません
あぁ、我が家にもこんなロボットがいれば良いのに!
そして私たちの戦いが始まりました
隅から隅へと姿をくらます奴に向かい、私はスプレーを吹きかけます
すると奴は、何を血迷ったかこちら目がけて飛んでくるのでした
思わず私たちは後ろに飛び跳ねます
捨て身先方とは油断なりません
進化していないはずの奴も、ここ何百年かの間には戦い方のすべを身につけたのでしょうか
体制を立て直し、私はまたスプレーを吹きかけます
しかしそれは、奴の体を更に光らせるだけで、なかなか効果が現れません
電磁ハエたたきは、故障してしまって役に立ちませんでした
私たちは奴の捨て身攻撃に、逃げまどいながら戦いました
そして何度も、そう何度もスプレーを吹きかけました
するとどうでしょう!
ようやく奴の動きが鈍くなって来ました。
戦いは終盤をむかえます
しかしまだ油断は出来ません
奴が完全に腹をみせ降伏するその時まで、私たちは攻撃の手をゆるめるわけにはいかないのです。
間断なくスプレーを吹きかけます
徐々に近づき、後数センチと言うところまでいって、体に直接吹きかけます
スプレーの油で、奴の体がどんどん黒く光っていきます
そして!
私たちはついにやりました
奴は腹をみせ降伏したのです
私はけれど、しばらく攻撃の手をやめませんでした
降伏した相手に何とひどいことをとののしる方もいるでしょう
けれど私は、奴が信用できません
完膚無きまでに叩き伸ばさねば気が済まないのです。
奴の動きが完全に止まったのを確認して、私はスプレーをおきました
敵ながら立派な体をしています
大きさなどから、クロと呼ばれる部隊の兵士でしょう
いえ、その身のこなしからすれば兵士でなく忍者と呼ぶべきかも知れません
けれど、奴には決定的に忍者と違う特徴があります
忍者は単独行動が主です
しかし、奴は、いえ奴らは!時に集団行動を行うのです!!!
私は今も気がかりでなりません
奴の後ろにどんな巨大な組織があるのかと言うことを…
もしかすると、この家はもう乗っ取られているのかも知れません。