17
ニタニタと下卑た笑いを浮かべた男と君は一対一で対峙している。
後ろの二人は見ているだけのようだ。
それもそうだろう、敵の方が君よりも体格はふたまわりほど大きく、
最初の戦闘で剣の技量も君より高いことを証明している。
加えて、君の手には短めの脇差、敵の手には最上大業物の太刀だ。
しかも、君はひどく負傷している――と彼らは思っている。
常識的に考えれば君に勝ち目はない。
しかし、君は復讐のデーモンと契約を結んだ黒い復讐者だ。
まず、敵と違って君は死んだり傷ついたりすることを心配しないですむ。
もちろん、先の戦いで傷ついた箇所は全て元通りになっている。
次に、敵が持っている剣は君の剣、君の
僕
なのだ。
「ニバス!笑わせろ!」
そうだ。朔月左文字には道化のデーモン、ニバスが焼き付けられている。
ニバスは君の命に従って朔月左文字を持つ男に強烈な笑いの発作を植え付けた。
男はたまらずゲラゲラと笑い出す。後ろの二人は何がそこまで可笑いのかと不思議に思っているが、
とりたてて異常な事態だと認識していないようだ。加勢に打って出る気配はない。
大声で笑いながらでは戦うのは急に難しくなる。
これで状況は五分と五分。いや、いくらか君の方が有利だろう。
戦闘の結果を知るためにサイコロを一つ振れ。
1と2が出た場合、男は哄笑しながら君を斬り殺す。
突然の笑いの発作に首を傾げながらも、君が今度こそ確実に死んだと確認し、
例のゴミ捨て場に捨てに行く。朔月左文字を手にしているあいだずっとニタニタしているが、
あまり頭が良くないので不自然な笑いの衝動に疑問を持つことはない。
チェックボックスの「玄」にチェックを入れて13へ進む。
3から6が出た場合、君はかすり傷を負うものの、うまく敵を脇差で切り倒すことに成功する。
朔月左文字に斬られた影響で君は歯をむき出しにして壮絶な笑みを浮かべた。
敵の手から朔月左文字を奪ってとどめを刺す。朔月左文字に殺された敵は笑顔を顔に張り付かせたまま絶命した。
ニバスの焼き付いた剣を手にしている限り君の顔から笑みが消えることはない。
返り血を浴びながらも薄笑いを浮かべる君を見て残りの二人はおぞけをふるったが、
思い出したかのように抜刀して君と対峙した。
さあ、残りの二人との戦いだ。
チェックボックスの「朔」にチェックを入れて33へ進む。